Aug 15, 2011

THE TREE OF LIFE - ツリー・オブ・ライフ


"Where were you when I laid the earth’s foundation ...
  while the morning stars sang together and all the sons of God shouted for joy?"
(Job 38:4, 7)

「私が大地を据えたとき、お前はどこにいたのか…
  夜明けの星は喜び歌い、神の子らは喜びの声をあげた」
(ヨブ記38章 4節、7節)



渋谷東急で、テレンス・マリック監督の「ツリー・オブ・ライフ」を観た。
鑑賞後、周りのおじさんおばさん達は一様に不満の声を漏らしていた。
エンドロールが流れだすと、待ってましたと席を立つお客さんが大半。
ネットでの評判もあまり芳しくないようだ。難解、寝た、分からない、金と時間のムダ、などなど…

否!否、否、否!!!
自分にとっては生涯ベスト3に入っちゃうかもな、というくらいの傑作だった。
あるショットが、自分の27年の映画体験の中でベスト1の、素晴らしく美しいショットだった…
大げさでなく。泣いた。
普段は買わないけど、速攻パンフレットも買った。
終わった後タバコを吸いながらしばらくボーッとしてしまった。


映画は「物語」ではない。
この映画はちっとも「難解」ではない。
映像を「感じる」だけのものでもない。
「無宗教だから分からない」だと?あなたは無宗教なのではない。無哲学なのだ。
「芸術映像作品」だと?否、これは紛れもない「映画」だ。
ああ、呪詛を書き連ねてしまった。あまりの無理解に憤怒する。
日本人が嫌いになりそうだ…強力な宗教アレルギーを持つ地球上で唯一の国…


自分にとっては、2011年のベストになるだろうと思う。
いや、映画史に残る大傑作だ!!!俺は、心からそう思うよ!!!
俺、この国に住むとこないかも…と思ってしまうような評価ばかりだけど。。
どこが難解なんだ!何も分からないのはあなたが真剣に「人間」について考えた事が一度もないからだろう!!!


観ようかなーと思ってて、なんか評判悪いから別のにしようかなーって人。
騙されたと思って観てみ。
それでやっぱり騙されたと思ったら、「ああ、そっか」と言うしかないけど。


絶対、劇場で観るべし。
日本版の予告編は…なので無いものとするべし。
「父と子」の話、みたいになってるけど、父はブラピではないのです。
いや、ショーン・ペンの親父はブラピなんだけど。いや、これ以上は何も言うまい。

こんなに映画を強烈に人に薦めたくなったのは久しぶりだ。
そして、こんなに「でも、きっと、フツー分かんないだろうな」と分かってしまう映画も久しぶりだ。
映画を観る目とか、そういう話ではなく。
宗教的体験として分かる度を共有できるのはK氏だけだろう。


でも、分かっちゃいるんだけど、もう一度。
劇場で、体調万全にして、観るべし。感じるべし。
名古屋でも札幌でも旭川でも、今、やってるよ。

誰か観て、「やっぱ分からん!」となったら教えて下さい。「フツーの日本人」が分からない事を、「映画批評家」が本質を捉えていない部分を、自分なりの解釈でお話出来ます。



もう、悪いけども、誰も書いてないからこっそり、ここにだけ書いておくと、
「サムシング・グレートを感じられなくなったショーン・ペンが、再び感じられるようになって、帰る」映画です。


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1 comment:

  1. 前に映画に行ったときに、「次は絶対これみようね」って同行した女性に言われて、見るつもりだったんだよ。そんで、おれはちょろっとテレンスについて調べて、「天国の日々」と「シン・レッド・ライン」借りて予習しようと思ったのよ、ビビッて。

     でもこのブログを読んで一人で行くことに決めたね。もし仮に俺だけショック受けて、「なんでこれわかんないの?おバカじゃない?」ってなったらいやだからさ、相手も自分も。

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