May 12, 2008

数学者



高専に入学して最初の担任が数学者で,相当に変な人で,しゃべりもコミュニケーションもすごく下手だったけど,ピアノが上手で,書く文章は非常に論理的で明快だった(高専という学校は少々高校っぽい所があって,担任がいる.高校は行ったことないけど,十中八九その雰囲気は高校+大学みたいな感じだろう).

そんな変な先生は,もっぱら学生からイジられる対象だったのだが,イジられながらも,愛される人だった.と勝手に思っている.
そんな経験もあって,数学者に好感を抱いてきた.

最近,偶然

http://ocw.u-tokyo.ac.jp/

を見つけて,名だたる日本の知による学術俯瞰講義のビデオを,ヒマさえあれば見ている.
そこで出会ったのが,加藤和也という数学者の講義だ.
「学術俯瞰講義」の「数理の世界」にある.
是非時間があれば閲覧して欲しい.特に時間がない人は,ビデオのファイルの最後だけでも,見て欲しい.そのファイルの最後の方を.こんな講義を東大でやっちゃうから素敵だ.

コレも面白い.

http://www.s-coop.net/lifestage/backnumber/2004/2004_11/pdf/0411_02-03.pdf

担任の面影が浮かんでしまう.こんな数学者が嫌いになれない.
やっぱ数学者はこうでないと.

工学部でも,初等数学を教える先生は,純粋な数学者にするべきではなかろうか.
ツールとしての数学を教えるエンジニアの先生は,何とも味気ない講義を展開する.
てんで面白みがなくて,数学嫌いが増えるのではなかろうか.

一見無駄に思えることを,本気の本気でやっちゃう面白さ.
ガチガチに固められがちな資本主義社会で,ガチガチに体系的な工学をやってると,この大切なものを忘れがちだ.

学研の実験キットに取り組んだ,あのワクワク感を持ち続ければ,なんでも面白くなってくる.なるんじゃないかな.なるといいな.











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