Jul 2, 2011

90%

今年に入ってから何だかんだで半年間、バイトもせず制作していたドキュメンタリー映画「MAKING of MANGA」の編集が90%、終わった。




映画美学校2010年度ドキュメンタリーコース初等科の修了制作として、自分を含め3名のスタッフで制作した、30分程度の「漫画が出来るまで」ドキュメンタリー。

先週の土曜日、6月25日に「完成講評」なるものが終了し、正式なカリキュラムとしては整音作業を残すのみで、7月下旬もしくはそれ以降に予定されている「発表会(一応それなりの上映環境での上映らしい。正式な場所と日時は未定。無料のはず。多分)」を終えると、この作品の制作は完全に終わりとなる。なんだか、ここに書いていると、あーあっさり終わってしまうな。と、一抹の寂しさも覚える(いくつかの映画祭には出してみようとは思っているが)。


主任講師の筒井武文監督に、ときに優しく、ときにはボロボロに言われて凹んだりもしながら、映画にも編集にもペーペーの癖に言いたいことは言ってしまう生意気な学生にお付き合い頂き、様々なバージョンが生まれては消え、その繰り返しの中で徐々に形になっていき、なんとか「作品」として成立しているだろうというものが出来たと思う。

是枝裕和監督や、諏訪敦彦監督にも見ていただく機会があり、様々な的確な助言を頂いた。昔から尊敬する監督達に、拙い、作品と呼べるのかどうかもまだ怪しいようなものを見ていただいて、さらにそれに意見を言ってもらえるのは、学生の特権だ。
最終的には、筒井監督からは「作品になっている。映画の時間が出来ている」とのありがたい言葉を頂き、是枝監督からも「完成してる。面白かった」と言ってもらえた事で、半年間、地震を挟みつつもなんとかここまで粘って作り続けてきた甲斐があったなあと少しだけ安心した(もちろん、同時に様々な指摘も頂いていますが…)。

自分の制作能力の足りなさから、突発的な撮影が組まれることが多々あり、そんな不親切なスケジューリングに付き合ってくれた制作サイドの2人にも、これで何とか顔向けが出来るとの安心もでかい。今回の作品は企画は完全に自分のもので、編集もほぼ自分一人でやったので、これで中途半端なものとなって完成しなかったら、合計60時間以上の撮影に文句を言わずに(表向きは笑)付き合ってくれ、現場での判断が曖昧だったりする事もある自分の至らなさで、かなりの迷惑をかけただろう2人にはもう何と言ったら良いか分からないというプレッシャーが半年くらい続いていた。なので、心のどこかで恐れていたような最悪の事態にはならなかった事で完成講評後はかなり気が抜けてしまい、この1週間はめちゃくちゃ自分に甘いスケジューリングを立ててダラダラと次の企画を練ったり、著作権関連の英語文書の翻訳をしたりしていた。


まだ編集が90%なのは、諏訪監督に最終講評の際に指摘された点について、もう少し、上映会まで考える猶予を残しているからだ。ちょうど1週間前の完成講評が終わってからは、一度も完成バージョンを見直しておらず、なるべくこの映画から離れようとしている。1週間おけば良いかなと思っていたが、今の感覚だともう少し置いて、頭からもっと離してから見なおして、この作品がこのままで良いのか、多少変更するべきかを判断したいと思う。

映画と観客の距離を変える作業になる。作り手のコントロールから作品を外して自由度を広げる、そういう作業になるはずだ。どちらにしろ、構成の骨組みは恐らく変わらない。そういった意味で、90%は完成という事だ。


まだまだ、技術にしろ経験にしろ、全てにおいてまだまだ足りない事は分かっているが、今の自分が出来ることはほぼやってきた。あと10%出しきって、完成させます。

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