Dec 7, 2008

現状暴露 工学部研究室 学部4年



今,うちの大学のうちの研究室の学部4年は5名いて,私を含めた2名は共に自動車部品サプライヤー企業の社会人学生で,残り3名は1名が国内自動車メーカー内定,1名が自動車部品サプライヤー内定,最後の1名が自動車メーカーエンジニアリング会社である.

驚くほどキレーにわかりやすく,全員が自動車業界に所属している/所属する予定の大学生だ.

自動車業界は揺れに揺れている.

米BIG3は経営破綻の瀬戸際まで陥っているし,国内主要メーカーも大幅に利益予想下方修正.
最も早く負の影響(=解雇)が出た派遣社員による抗議運動.F1撤退.などなどなどなどなど.
自動車業界についての明るいニュースはないと言い切っても良いくらいだ.

昨年冬あたりから就職活動を開始していた当研究室現役大学生3名は,3名一様に,「自動車業界なら安泰だろう」と考えていたはずだ.私もなんとなくそう思っていたのは事実だし,もうひとりの社会人学生もまあ大丈夫だろうと考えていたはずだ.
まさか年内にここまでマズイ状況になると予想できていた大学生は多くないだろう.経営者ですらここまでヤバイとはわかっていなかったかもしれない.
特に工学部4年は「卒業研究」という「have to do」が生活のかなり(人によってはほぼ全て)のウェイトを占めるわけだから,取り入れる情報はニュースよりも論文だったはずだ.


初めての卒業研究が佳境に入ってくる秋頃になって,金融危機がセンセーショナルに報道され,それにともなう経済危機のニュースを耳にしはじめる.


「卒業研究もうまくいかない.進まない.ああ.もう時間がない.」
そんな大半の工学部4年生が抱えるであろう悩みの中に,もう一つの大きな悩み.

「就職しても不安は続く.この業界でどう生き抜くべきか.」



今日は12月6日.卒研は佳境も佳境に入っている時期.
追い討ちをかけるように不安をあおりにあおる新聞ニュース.100年に1度の不景気?


研究やらなきゃ.
ああ明るいニュースがない.
研究やらなきゃ.
殺伐とした職場イメージ.
研究やらなきゃ.
ボーナスはどれだけ下がる?
研究やらなきゃ.
査定も厳しくなるはずだ.
研究やらなきゃ.
ああ,内定で喜んだのに.


研究室指導教官は研究やれやれという.そりゃ先生方はそう言うだろう.研究者なのだから.
でも卒業したら学部の研究内容に専門性など問われないのは常識だ.
修士でも研究内容が直接業務内容にいきる人はまれだろう.ラッキーな配属の人だけ.

俺は,僕は,私は・・・研究者にはならず,サラリーマンになるんです先生方.

切実なのは「研究室運営の事情」でも「研究業績」でも,ましてや「学内政治」でもなくて,これからの“一個人としての生活”なんです.当然のことですが.

大学という未だに浮世離れした組織から,企業という殺伐として匂い立つ凡庸なる実態経済へと飛び出すんです.あと4ヶ月すれば.


その切実さへの意識と実感は,上司と部下の仮想的立場を保ちながらも,絶望的に乖離しているのが現状だ.

この喫緊な二つの悩みを抱えながら,俺も彼も奴もみな暗い顔.



これが“今”の「リアル」じゃない「現実」.

じゃね?











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