Apr 26, 2010

社会を変革するには



なーんて大風呂敷を広げたタイトルだ。

BUT。
「今の日本社会」つまりは、我々が日々生活を営んでいる「この社会」はどうもヤバイんじゃないか、どうもおかしいんじゃないか、いや、明らかにクソなんじゃないか、と物心ついた頃から考え続けているヤツは少なくない筈だ。
というか、そうでもない(何となく現状に満足している、もしくは自分はそれほど困ってないから無意識に思考停止する)人は置いていこう。いや、本来はこのブログを読んでるような俺の友人達は、社会的に安定している中流が殆どなので、そういう「余裕のある」層こそが真面目に考え議論しアクトしなければいけないと思うのだが。

「マル激トーク・オン・ディマンド」という、社会学者・宮台真司と、ビデオジャーナリスト・神保哲生によるネットメディアの放送が著作化されている本の七冊目、「格差社会という不幸」をようやく読んだ。購入後3ヶ月以上は経過していたけど。
これは、久しぶりに超お奨め本だ。

この本は、この社会はどうも、クソなんじゃないか。と考えてきた(考えている)人にとっては、腑に落ちる議論満載だ。
日本社会に蔓延る「格差」と「貧困」。一度ミスったり、一度不幸に陥ったりした人が復帰出来ない社会。
そんな社会に日本が陥っている原因や、じゃあどうするべきか、という提言が様々な角度から論じられている。

個人的に非常に重要だと思ったのは、今の日本社会は「ダメ」だ、という事はハッキリしている、という話。で、それが「ヒドイ社会」で「ダメ」なんだ、という事を多数の人が認識しなければ社会は変わっていかないという事。
基本的に今の経済至上社会の中で落ちこぼれ(あるいは最初から正社員というルートに乗れず)、這い上がる機会を失っている人達は、「自分がダメだからこうなった」と自己責任を感じすぎていて、非人道的な扱いや社会的承認が他者から一切得られなくても、「声」を上げようとしない。
これが最も深い病だと感じた。
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国民一人当たりのGDPはTOP3に入る上位なのに、自殺率はイギリスの3倍、アメリカの2倍。西側先進国中ダントツの一位。
就業時間はヨーロッパが1400時間。アメリカが1700時間台。日本はサービス残業を除いて1900時間台。サービス残業を含めると2200時間前後。1ヶ月で50時間、1日だと通勤時間含めて3時間多い。
新卒一括採用という超排他的採用システム。新卒で「正社員」という「健康的で文化的な通常生活を営むための“最低限”のパスポート、を得る可能性、を得る権利」を失った、もしくは持たない人は、「自己責任」の名の下に、疎外され、結婚して子供を生む事すら非常に難しい社会。
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こんな社会は当たり前にクソだな。フツーにヒドイな。と思う人が増えて欲しい。
とにかく、日本人はもっと自信を持って、おかしいものをおかしい、という気概を持つべきだろう。そうしないと、社会はもっとヒドクてクソになりそうだから。
アメリカ的超格差社会になった時には、日本にはアメリカ的市民宗教がない(寄付で成立するNPOによる支援や教会での衣食住提供がない)から、アメリカよりも生きづらい社会になり得る。

想像力を少し広げるだけだ。必要なきっかけは。
少しだけ、他人の痛みに敏感になるだけだ。それが圧倒的に欠如している。
それさえあれば、この社会の現状に目を向けようという動機付けになる。

いつまでも他人事、で済ませていては、自分達の子供が生きていかなければならない社会は、もっとヒドクでもっとクソでもっと生きづらいものになる。それは明らかだ。

個人的には、それをアジっていきたい。見て見ぬフリを続けている、全ての人達に向けて。











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