Blending

シカゴ生活の終わりの頃，家から電車で15分ほど行った黒人地域にあった，アシッドハウスを生み出したと言われるTrax recordの事務所にアポなしで訪問した．

そこで親切にシカゴハウスについて色々教えてくれたDJがいた．DJ Cruzz．蛍光色の短パンにでかめの白Ｔをきてポップなキャップをかぶっていた．年は30くらい．Cruzzの親切でTraxでのシークレットパーティにも行った．黒いパーティだった．白人はCruzzだけ．鳴ってる音もグルーグも真っ黒だった．

彼はDJとしては無名だがシカゴでハウスやヒップホップのパーティーのプロモーターをしている気のいい白人だった．彼のパートナーはMaurish Joshuaというトラックメイカー/リミキサーだと自慢していた．Mauriceは日本でも結構有名なリミキサー．グラミー賞とっちゃってるすごい人らしい．Cruzzの説明を聞くまでピンとこなかったけど．偶然Cruzzの部屋で出くわしたMauriceは日系アフリカンアメリカンで体格のいい，めちゃめちゃ優しい顔したセレブだった．日本人のおばあちゃんに印税で家を買ってあげたらしい．
Cruzzの奥さんは黒人で体格のいい気の良さそうな人だった．見ず知らずの日本のガキを事務所に通してくれた彼女がいなかったらCruzzともMauriceとも話すことはなかっただろう．Cruzzには娘がいて，顔はみなかったけど事務所の奥からその歌声が聞こえていた．Cruzzは娘を次のビヨンセだと自慢していた．

そんなCruzzは
"Real DJ only play Vinyl"
って言った．かっこよかった．
ミックスは難しいって言ったら
"You mean blending?, We call that blending."
とか言ってた．かっこよかった．

そんなシカゴの思い出を書いてしまうのは，昨日注文していたスピーカー101MMが届いたからなんです．やっとアナログが聞けるようになりました．
針も新しいのに変え，ターンテーブルの針圧もいちから調整して，音を出しました．
久しぶりに音を出せたので興奮し，昨夜は持ってきたレコードのほとんどに針を落としました．

名古屋でのハウス生活がスタートです．