Apr 25, 2006

真面目なお話



今日は少し真面目なトピックをひとつ。興味がある人はネット上に無数の情報があると思うのでちょっと見てみたらいいじゃない。

NHKのスペシャル番組を見た。「立花隆・徹底討論・サイボーグの衝撃」
BMI(Brain Machine Interface)という言葉を初めて知った。要するに脳から出る電気信号を取り出し、ネットワークを通じて外部機器を制御するといった感じ。その逆、つまり脳に信号を送って実際にはない物理感覚を脳信号として得る研究もある。たまに聞く分野ではあったが、ここまで来ているのかと驚いた。

また、人が機械を装着してサイボーグになる研究。要するに人間が持つ力を機械で補助(増幅)する。まさしく“サイボーグ”って感じの研究。この研究はうちの大学でもかなり本格的にやられている。
こーゆう研究はアメーリカではやっぱDARPAがかなり投資しているらしい。これってかなりやばいんじゃないかと思う。要するに軍事技術としてのサイボーグ。
超人の誕生ですね。技術的には簡単にできそうだった。あぶねーわこれも。

番組内で一番衝撃を受けたのは“ロボラット”の研究。ニューヨーク州立大学の教授がやってる研究。(http://www.rybak-et-al.net/chapin.html)
細かいことはわからんけど、要はラットをマウスで思い通りに動かせちゃうらしい。右行けって命令したら行くし、はしご上れって言ったら行く。そのまま操り人形です。命令に従うとこれも脳に“快楽信号”を送る。ごほうびあげるんです。そしたら言うこと聞くようになる。この研究はサルまで成功してるらしい。ということは・・・きっとヒトでもできるんでしょうね。これはホント一番恐ろしい技術。

ちょろっと触れられていたのが人工海馬の話。“記憶の外部化”ってやつです。で、これは初めて知ったんだけど実際脳の記憶をICに入れる技術がかなり現実的になってるらしい。これはかなり恐ろしい。つまり記憶の入れ替えとかがパソコンのメモリ交換みたいなノリで簡単にできちゃうかもっていうこと。
私見では、昔から“今の自分の存在の確認”とか“アイデンティティ”ってのは“記憶”からしか生まれないと思っているので、このICっつーのはかなり恐ろしいと感じる。要するに自分が自分であるかどうかがわかんなくなるってことだからね。
人は寝ている時に意識はほぼ無になって、普通その機会が1年365日ある。だから人のメモリ交換ってのはいつでもやられちゃう可能性がある。入院中とかだとかなり簡単に。
その恐ろしさはTHA BLUE HERBの“未来世紀日本”って曲を聴くと理解できるはず。


で。やっぱ問題になんのは“倫理”ですね。「こーゆう技術できちゃいましたけど実際使っていんすかね?」って問題です。この辺の議論はユング心理学の河合隼雄さんと立花さんがやってました。二人ともやっぱ“ちょっと間違うとヤバイ技術”としてサイボーグ技術を捉えていました。

結論として思ったのは、やっぱ技術者とか科学者がまず最初に学ぶべき学問ってのは“道徳”とか“倫理”だなってこと。これが前提になけりゃ科学技術ってのはかなり危険な学問。
BUT!!! うちの大学の周りのエンジニアの卵たちはこのモラルってのが一番欠けている気がします。生活態度は悪いし、あいさつもろくにできない。数学はめちゃできるのに。一般教養科目の講義では真剣に聞いてんのは2割がいいところ。
これは由々しき問題っす。危ないっす。
とりあえず“工学倫理”とか“技術者倫理”は工学部、理学部の1年から必須科目にする必要ありだと思う。TEXTは手塚治虫で間違いない!











2 comments:

  1. オレも見た!!衝撃でした!!
    科学者が道徳や倫理を学ばなければならないという意見に賛成です.

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  2. おっマジか。かなり衝撃的だったよね。
    モラルはしっかり守れる大人になりたいもんです。

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